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平々凡々という幸せな生活 [日記]

夏は、朝の5時から6時の間ぐらいに目を覚ます。最初に急須に新しいお茶を入れて飲む。なんとも言えない寛ぎを感じるひと時である。本を読んだり文章を綴ったりして7時10分位前になると、ゴミ出しの準備をして車の傍まで持って行く。それからクロの排便処理のため、新聞紙一面を四つ切りにしそれぞれ2つ折りにしたものをウエストバッグに入れ、アイフルという商品名のビニール袋を準備し、更に散歩した後クロの足の汚れを拭き取るための濡れタオルを3枚準備する。それが終わると帽子をかぶって玄関に向かう。その一連の動きを見守っていたクロは迷いなく私の後に従う。付いて来たクロを抱き上げ準備した品々を携え車に入る。その際あらかじめ運んでいたゴミ袋をトランクに入れてスタートする。直ぐ近くにあるゴミ集積所にゴミ袋を置き車を走らせる。15分ぐらいで健康の森公園の東駐車場に着く。20分から25分ぐらいの散歩を終え帰宅するのが7時40分から50分ぐらいの間。直ぐクロを抱きかかえウンチ袋を玄関脇のボックスに入れると、浴室前の洗面所でクロの足をシャワーできれいにし、口元、腹なども濡れタオルできれいにしてから、座敷にクロを降ろす。それからクロに餌とスキンミルクを与え、食器に水を入れる。それから、妻が支度をして揃えておいた食卓に、茶葉を入れ替えポットから湯を注ぎいれた急須を運ぶ。それを湯飲み茶碗に妻が注ぎ入れている間にご飯を装った2人分の茶碗を運ぶ。クロの食器を持って食事開始。テレビをつける。朝の連続テレビ小説を見ながら箸を運ぶ。並行してクロに時々食べものを分け与える。テレビ番組が終わると、朝風呂に入る。風呂から上がると、健康測定器の計測結果を記録、その後薬を飲み終わると書斎に入る。本を読んだり文章を綴ったりネットで調べたいことを検索したりする。前夜の寝不足などでコクリコクリしがちなときは、ネットで囲碁と取り組む。
 1時間ほど掛けて昼食と休憩を取った後も、水曜日と金曜日を除き午前中とほぼ同じ過ごし方をするが、好きなテレビドラマ等があればそれも見ることにしている。
 夕食前6時から7時頃までの間にクロを連れて散歩に出る。散歩を終えると夕食、1週間に5日は晩酌をしながらテレビを見て11時ごろには就寝。これが1日の生活パターン、実に平々凡々とした日々の暮らしを繰り返す。
 しかし、囲碁というへぼ碁の趣味があるおかげで毎週水曜日と金曜日には碁打ちに出かけるし、土曜日は月2回ぐらい大会に参加するので、退屈を感じることがなく暮らしいる。まあ、幸せという部類に入るのではないだろうか。

蝉の抜け殻 [日記]

 朝庭に水撒きするのが妻の担当のようになっていたが、この頃少し勝手が違ってきた。最近30度を越す暑い日が続くので、少しでも涼しくなってからと夜の散歩時間が遅くなり家に帰るのが8時過ぎになる始末で、それから日課のスーパー銭湯行くのだから帰宅時間は下手をすると12時近くになってしまうので、いきおい朝の水撒きが難くなったからだ。
 そこで、私が朝の水撒きを買って出ることにした。愛犬クロの散歩に、目覚めると直ぐに出かけたので、水撒きは6時25分頃に始めることができた。水圧が強いのでもう充分だろうと思って腕時計を見ると7時を回っていたので切り上げて家に上がると、起きていた妻に言われた。「代わってくれたのはありがたいけど、もっと掛けて欲しかった、土が乾燥しきっているのでもっと時間をかけないと、水が流れるだけでなかなか沁み込まないのよ」
 たしかに、妻が長いときは2時間も掛けていることを思い出し、確かにちょっと足りなかったかなと素直に反省した。それはそれとして、蝉の抜け殻が今までになかったくらい多いことに驚かされた。しかも特定の場所に集中していたことも驚きだった。梅ノ木に17個、その近くのどうだんつつじに9個、グミの木に11個あったのだ。土間を見ると、孔があちらこちらに掘られていた。ミンミンゼミも油蝉もかまびすしく鳴く季節になった。

タグ:水撒き

ヒヨドリの巣作り(10) [日記]

 7月10日 妻から思ってもみなかったうれしい話を聞いた。
「物置に行こうとグミの木の下を通ったら、ヒヨドリが飛び立った、飛ばずにグミの枝にとまっているヒヨドリも見えた」
 そのグミの木というのは、庭の西北に位置しているが、その話を聞いたとき、私は、庭の東南部分に居て剪定作業をしていたときだった。さつきの刈込の後に、ヒヨドリの巣がある沙羅の木も葉が込み過ぎていたので、剪定を終わったところだった。妻に教えられて直ぐに私もグミの木のところへ行ってみた。欝蒼としているので下からは空が見えないほどになっているグミの木の中に、2、3羽ヒヨドリが動いているのが見えた。低いツバメに似たような鳴き声をあげていた。まだグミの実はいっぱい残っていて、食べるに事欠かないだろうが、それで栄養バランスが崩れたり、通じが悪くなったりしないのかなぁ、と二人で真面目に心配した。
 7月11日 昨日に引き続き、グミの木のある方の庭の剪定作業をした。食事後の朝風呂を浴びる前、ほんの1m時間程度と言う実に短時間の予定で始めたのだった。と言うのも昨日午前中1時間半程度働いただけなのに疲れが出たし、足と手が突っ張って、午後からの囲碁を楽しむ時間中も直らず寝る時刻まで続いて懲り懲りしたからである。小雨の中の作業を終えて部屋に上がると、ついさっき、ヒヨドリが巣のある沙羅の木に、犬の立ち泳ぎのような羽ばたきをしながら近付いてきたが枝に止まらずに飛んで行った、とまた妻から教えられた。古巣には2度ともどらないようだなぁ、と寂びしい感想をもって話していただけに、感慨ぶかいものがあった。沙羅の木が昨日の剪定で様子が変わっていたので、立ち寄らなかったのかもしれないなぁ、とちょっぴり後悔した。それにしても、遠くには行かず、庭の中にいたのに、今まで聞いたヒヨドリの鳴き声が一つも聞こえなかったのは、どうしてなのだろう、と不思議な気もしたが、ネットで調べた結果のとおり、以前はさえずりだったが今は地鳴きに変っているのだと得心した。地鳴きは、さえずりのようにはっきりとした鳥毎の違いがなく、識別するのがむずかしいと言うことだそうだ。

ヒヨドリの巣作り(9) [日記]

 7月7日  昨日巣立った後は暗くなるまで一羽とて古巣に戻ることはなかった。今日は朝早くからひときわ高いヒヨドリの鳴き声でにぎやかだった。カラスが近いところに止ったときは、切羽詰まったような甲高い鳴き声で騒いでいたので、慌てて外に出てカラスの止っている近くまで駆け寄ってみた。それでもその場を立ち去ろうとしないので、大げさに腕をふるって見せるとようやく遠くへ飛んで行った。この日は、付近一帯をヒヨドリ一家が支配しているかのように終日立て続けに甲高い鳴き声を辺りに響かせた。妻がつい「うるさいな」と呟くほどだった。
 7月8日  今朝は、昨日とは打って変わって、ヒヨドリの鳴き声はなく、ツバメ、ヒワ、雀などの声が静かに聞こえるだけだった。ヒヨドリは一体どこへ行ったのだろうか。昨日は今日に備えてひな鳥の訓練に忙しかったからあんなふうに騒々しかったのだと得心することが出来た。ちょっと淋しい気持がした。前にネットで調べたところによると、成鳥になるまで巣立ってから更に30日ぐらいかかるということだったが、これからどこでどんなふうに親子の暮らしが続くのか、想像することもできないが、気になってしかたがない。うるさいと思ったことも、あれからたった1日しか経っていないのに、なつかしく思い出され、ちょっぴり寂びしいと思った。あれ、ヒヨドリかなと首を傾げたが、ツバメの鳴き声だった。相当低いが、基本的な波長が似ているのかもしれないと思った。

ヒヨドリの巣作り(8) [日記]

 7月5日  朝、散歩に出かける前のこと、いつもと違ってヒヨドリの鳴き声が急を告げるようにけたたましく響いた。庭をカラスが低空飛行しながら横切るのが目に入ると同時に、その直ぐ後をヒヨドリが追尾するように飛んでいくところが目に入っ。これとは別の親鳥が電線に止って執拗なくらい間断なく威嚇するような鳴き声をあげていた。カラスが庭のひときわ大きいモミジの木に止っていたからだった。私は直ぐ庭先に出て追い払う声を上げた。逃げるようにそこを飛び立ったが、直ぐ隣の家近くの電線に止ったのでそこまで走って行って、威嚇するポーズをとるともっと遠くへ飛んで行ってもう一軒先の家近くの電線に止った。
 昨日もそうだったが、何やら赤いものを餌として与えていると思ったが、庭の北西にあるグミの木の実であることに思い至った。今日11時20分頃、親鳥が巣の近くで騒がしいと思い観察していると、ひな鳥が巣の外へ出てもぞもぞと動いているのが見えた。一方、親鳥は巣の近くの脚立や灯篭、伽羅の木、物干し竿などに止っては飛び、飛んでは止って、子供らよ飛んできなさい、と呼寄せるように大声で鳴き続ける。すると、ひな鳥が巣から完全に離れ同じ木の近くの小枝につかまったかと思うと、羽ばたいてちょっと離れたヒバの木に止った。一羽だけが巣の下の枝にやっとの思いでつかまっただけで、そこから動けそうもないのか、もがきながら両の足を動かして落ち着く位置を探しているみたいだった。やっとの思いで落ち着く位置が見つかったのか、あるいはもがき動いたので疲れたのか、くちばしを宙に向けたまま動かなくなった。そこは、私の胸の高さほどの低い位置だった。まだ雀くらいの大きさしかなかった。しばらく親鳥の声もしなくなったので、まさかとは思うが親鳥が見捨ててしまうつもりではないだろうな、という疑いを捨てきれない気持になった。かわいそうで目が離せない。そっと手に捕って牛乳でも飲ませて見ようかなどと、出来そうもないことを衝動的に考えてみたりした。やがて40分ぐらい経ったころ、近くで親鳥と思える鳴き声がした。件のひな鳥がそれに呼応するかのように声を上げたが、その声は極めて弱弱しくて親鳥に届いたとは思えなかった。
 それから更に20分ほど経過したとき、親鳥がひな鳥の鼻の先ぐらい近いところにある、物干し竿に止った。赤いグミの実を咥えていた。それをひな鳥に与え飛び去ったと思う間もなく、また赤いえさを与えに飛んできた。見ていてホッとした。2度餌を与えてもらうと心細さがなくなり元気も出てきたのか、何回も羽の毛ぞろいをするような仕草をしたり、次第に動きが活発になっていったが、ついに力強く羽ばたきを繰り返すようになっていた。そして、ちょっとテレビのニュースに気をとられている間に、そのひな鳥の姿が消えていた。これで、生まれたはずの3羽が揃って無事巣立ったことになる。万歳!書斎の西窓は、開けると巣が手にとるように見えてしまうので、ヒヨドリを驚かしては悪いと思いズーっと締め切っていたのだが、その心配がなくなったので開けっ放しにした。「古巣に戻る」という言葉を思い出したが、ついぞ戻ることはなかった。
 妻は、今日、嫁とそのお母さんを誘い大井沢の民宿に山菜料理を食べに行った。私も一緒にいかないかと誘われたのだったが、女同士心置きなく楽しんで来たらと言って断わってよかったと思った。そのお陰で、子鳥の巣立ちをつぶさに、しかも間近に観察できたのだからラッキーだった、こういうのは、何しろ初めての体験だった。妻が大井沢から帰ったのは夕方だったが、私はヒヨドリの巣立った様子を詳しく興奮気味に話して聞かせた。

ヒヨドリの巣作り(7) [日記]

 7月1日  警戒心が緩んできたのかとふと思っていたが、そうでもなさそうだった。遠くから餌を咥えたまま真っ直ぐ巣には入って来るようなことはしない、必ず一旦近くの脚立などに止まってあたりを見回してから入って来るからだ。一段とけたたましく鳴き続けているなぁと思った矢先に、外から帰って来た妻が、ヒヨドリがカラスを追い払うように盛んに夫婦で威嚇するように鳴き続けていた、と言った。間もなく鳴き声が静まると、カラスはどこかへ飛び去ったのかなぁ、とつぶやいた。
 餌を咥えた親鳥が脚立に止まったのを見て、私は餌を与えるところを見届けたいと思い、巣が見えるところまで近付いた。やがて巣の縁に止まっている親鳥の口に向かってひな鳥が天を衝くように口を大きく開けているのが見えた。かつて幼い頃ツバメが軒先に巣を作りひな鳥に餌をやるところを見た記憶が甦ったが、あの時は親鳥が下から巣の縁につかまって餌を与えていたのでひな鳥はむしろ下のほうに嘴を開けていた光景を思い出した。ひな鳥は少なくとも三羽いることを確認することが出来た。
 7月4日  昨日は、終日雨降り続きだったせいか、親鳥の動きが特に目立つようなことがなかったような気がする。ところが、今日は雨も止んで薄日も射すような穏やかな天気だったので、夫婦揃って餌やりにせっせと動いているのがよくわかった。餌を探す場所も、餌を見つける場所もしょっちゅう変るからだろうか、庭のいろんなところに止まり、それから脚立に回ったりして巣に入る。夫婦同時に餌を咥え庭に飛び込むときは、一羽が餌やりを終えるのを近くで待っていて、終わるとすかさず交代して餌やりをする。

ヒヨドリの巣作り(6) [日記]

 6月28日  昨日もそうだったがヒヨドリが2羽とも活発に飛び回っている感じである。朝食後、眼の前にある脚立の上にくちばしに餌を咥えた親鳥が止まったかと思うと、巣に近付いて行った。間違いなくひな鳥に餌を与えるためだ。万歳!思わず心の中で叫んだ。その鳥が飛び立った後巣を覗くと親鳥が巣の中にいた。雄鳥が抱卵している雌鳥に餌を与えたと言うことだろうか。そうだとすると、孵化したわけではないかも知れないと、また疑念が芽生えた。しかし、その後も2羽の親鳥が巣と頻繁に行き来しているので、ひな鳥誕生は間違いないとも思えた。
 6月30日  妻は、昨日、ひな鳥の鳴き声がすると言ったが、私には耳を澄ましても聞き取れなかった。しかし、今日ははっきりとひな鳥の鳴き声を聞いたばかりでなく、ひな鳥のくちばしと頭を見て取ることも出来た。卵が孵るまでは親鳥の動きは周囲を警戒し慎重になっていると思ったが、今は違っていた。餌やりに忙しいせいかもしれない。おおっぴらに大声で鳴き、水の中を犬掻きで立ち止まっているように羽ばたきをしながら、巣の縁につかまる。巣に近付くとき、以前は高い電線の上に止まるか、巣からある程度離れたところにしか止まらなかったのに、今は居間寄りの脚立や椿・百日紅など巣に近いところの枝々に止まることが多くなっている。鳴き声も一段とにぎやかに聞こえるようになった。スピスパスピスパ、ピーピョピーピョなどと聞こえる。

ヒヨドリの巣作り(5) [日記]

 6月26日  孵化したかなと、床から起き出すと直ぐにロールカーテンを上げて巣を覗いて見た。相変わらず卵を抱いている姿が見えた。
 クロとの散歩から帰ると、妻が言った。
「巣に近付いたりしたけれど巣には入らなかった。それから今まで1時間近く経ったけれど姿を見せない」
 そんな会話を交わしているうちに、ヒヨドリが巣に近づいて来た。だが、巣の縁に留まっているだけで、中に入らない、葉叢に遮られて良くわからないが、くちばしの動きから餌を与えていると見て取れる仕種が何回か繰り返された。
「餌を与えているようにも見える、口の中に餌を含んでいて、何回にも小分けにして与えることが出来るのかな」
 私の疑問に妻が答えた。
「そういう鳥もいるかも知れないけど、ヒヨドリがそれに当たるかは分からない」
 それを聞きながらまた巣を見ると、卵を抱いているような姿勢に変っていた。しばらく時間を置いて覗いてみると、身体全体が巣の上に覆いかぶさるように横たわっていた。間もなくその鳥が飛んでいくと、交代するように別の鳥が巣の縁に止まって餌を与えるようなくちばしの動かしかたをした。鄙がかえったのかもしれないが、直接確認できたわけではないので、断定はできない。
「抱いたりしているようだったり、餌を与えているようだったりして、何がなんだか訳がわからない」と私が言うと、
「まだ孵化していない卵が残っているのかもしれない」と妻が言い出した。
いずれにしても、もう少し確かな根拠が見つかるまで観察を続けるしかないと思った。
シーツや掛け布団のカバーを2人分洗ってヒヨドリの巣がある沙羅の木のすぐ下の物干し竿いっぱいに干したのでヒヨドリが警戒するかなと思ったが大事には至らなかった。

ヒヨドリの巣作り(4) [日記]

 6月14日  箏曲を聞きに日帰りで東京に出かける妻を駅まで送った。午前中も特別のことはなかった。午後1時から友人と寿荘で囲碁をしてくる間、あまりにも暑い日だったのでクロのことが心配になり、冷房して出かけた。寿荘の室内はむし暑く大汗をかいて帰って来たが、家の中は冷え切った状態だったので、ほっと救われた心地がした。
しばらくして冷房を止め引き戸を開けながら、念のため巣のほうに目をやると、そこにヒヨドリがいるのを見て、卵を抱いている、と心の中でうれしい驚きの声をあげた。夕方、電気をつけて庭を眺めていると、眼の前に置いたままになっている脚立の上に突然ヒヨドリが止まって落ち着かなく首を動かしあたりを見回していたが、スーッと巣の中に入っていった。新たな感動を覚えた。駅に9時42分に到着する妻を迎えに行き、すぐヒヨドリのその日の出来事を伝えた。
 6月16日  今朝巣の中を確認すると、やはりヒヨドリの姿があった。抱卵していることに間違いがないと思った。有難うヒヨドリ君。
 6月22日  ネット検索。孵化するまでの期間は13日となっていた。14日に抱卵が始まったはずだから、26日には、雛をみることができるはず。そのときが待ちどおしいと思った。 

ヒヨドリの巣作り(3) [日記]

 6月11日 妻が琴の練習で出かけた後の8時半頃、シャワーを浴びるとき、玄関の鍵を閉めておいた。裸になって風呂場に入ると間もなく、ドアホーンが鳴り愛犬クロが吠え立てた。しばらくするとクロの吼え声も聞こえなくなったので、あきらめて帰ったに違いないと思った。シャワーを終わって、玄関の鍵を開け、網戸に切り替えていると消毒の臭いがした、頼んでもなかなか来てくれないと思っていた庭師のSさんだった。消毒が終わってSさんが帰ってから間もなく、近くでヒヨドリの鳴き声がした。良かったと思った次の瞬間には、消毒したのを嫌って、巣には近付かないのではないか、と心配になった。その日は、ヒヨドリが付近で鳴いたり飛び回ったりしていたが、巣に入ったところを確認することはできなかった。
 6月12日  囲碁愛好会「娯楽会」で肘折温泉へ1泊2日の旅行にでかけた。家を出たのが10時、それまではヒヨドリの鳴き声がしたが、巣に近付いたり入ったりした形跡はなかった。次の日、家に帰ったのが丁度正午頃、妻にその後の状況を訊いたが、特別変ったことはなかったと言う。いよいよ、折角作った巣なのに、何が理由かは分からないが、間違いなく子育てを断念したに違いないと思った。何か寂しいような物足りなさを感じた。

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